薬剤師の男女比

女性比率が高い薬剤師

薬剤師という仕事の大きな特徴の一つが、資格者の比率が女性に多いということです。
医療関連の国家資格が必要な仕事はたくさんありますが、医師や検査技師の比率で見ると圧倒的に男性が多く、もともと女性の仕事であった看護師資格のみが女性が多数を占めるということになっています。

しかしそうした医療の現場において例外的に女性が多いのがこの薬剤師です。
2012年の厚生労働省の調査によると、薬剤師として登録されている人の割合のうち、男性は33.5%女性は66.5%と3人に2人は女性ということになっています。

薬剤師資格者は以前より女性が多く、現在勤務中の薬剤師さんのうち40代以上の人だけで見てみるとさらにこの割合は開いて全体の7割以上が女性になっています。
男性薬剤師も少しずつ増えてきているのですが、劇的に増えるという傾向はまだ見られておらず今後もしばらくはこのくらいの割合で続いていくのではないかと思われています。

これは歴史的に調剤の仕事が薬品部門における看護的な役割に置かれていたということが関係していて、現在共学として生徒を集めている薬学部もかつては女子校であったということが多くあります。
大正~昭和初期くらいには女子薬学校という名称の学校が多く作られていたので、働く女性のための仕事としていちはやく確立された分野と言えます。

医薬分業によって薬剤師の仕事が変わる

薬剤師資格者に女性が多い理由を考える時、必ず知っておかなければいけないのが薬剤師という職業の歴史です。
日本において「薬剤師」という仕事ができたのは明治に入ってからで、1874年(明治7年)に「医制」という現在の医療制度のもととなる法律が作られたことに端を発します。

当時は「薬舗主」という名称でしたがこの職業の人にだけ「調剤権」を賦与し、以降医療の現場における独占的な薬品の取り扱いを行うための職業として機能してきました。
「薬剤師」という名称になったのは1889年(明治22年)からのことです。

この「医制」というのは明治以降急激に日本に入ってきた西洋医学を元にした医療制度を確立するためのものだったのですが、江戸時代までは日本においては漢方を治療の中心とする東洋医学を用いており法律を作ったからといって突然に意識を改革することは難しかったようです。

西洋医学においては医療行為と薬学による治療は完全に別の仕事となっていたのですが、日本では薬学処方=医療行為という意識があったがため、新たに「医師」という仕事を作っても薬学の処方も医師の方で行うというふうになっていました。

ですので当時の薬剤師は独自に薬を処方するのではなく、医師の指示に従って薬を出すという事務的な役割にとどまっておりそれが薬剤師=補助業務という意識を作り、女性の仕事というふうに定着していったのではないかと考えられます。

しかし現在ではかなり遅くなりましたがようやく医薬分業の動きが大きく出始めており、より主体的な調剤業務が社会全体で行われるようになってきたので、今後は自立した女性の仕事とどうじに男性が一生行うことができる仕事としても広く認知されていくのではないかと思われます。

Written by SLmed7uK